シングルマザーが貧困に苦しむ3つの理由は?苦労することや支援制度をまとめた!

日本では、夫婦の3組に1人が離婚すると言われており、それと同時にひとり親になる家庭もあります。

特にシングルマザーの貧困率は高く、生活が苦しいと感じている人は少なくありません。

今回はシングルマザーが貧困に苦しむ3つの理由、苦労することや支援制度についてまとめてご紹介します。

支援制度を活用すれば、今よりも安定した生活が送れるかもしれません。

ぜひこの記事を参考にしてくださいね。

ひとり親でも特にシングルマザーの貧困率が高い

日本では、ひとり親家庭の貧困が大きな問題になっています。

特に、シングルマザーの貧困率は非常に高く深刻です。

「令和3年(2021年)度全国ひとり親世帯等調査」の調査によると、父子家庭の父親の平均年収は518万円に対して、母子家庭の母親(シングルマザー)の平均年収は272万円と約250万円の開きがあります。

さらに、シングルマザーの約1割は生活保護を受給しています。

生活保護は貧困の最終手段であることから、シングルマザーの多くが経済的に大きな悩みを抱えていることがわかります。

シングルマザーが貧困に苦しむ3つの理由は?

深刻なシングルマザーの貧困ですが、なぜ生活困窮に陥ってしまうのでしょうか。

ここではシングルマザーが貧困に苦しむ3つの理由をご紹介します。

仕事に制限がかかる

シングルマザーは仕事と家事、子育ての3つの役割をになっています。

特に小さな子どもがいる場合、子育てにかかる時間が多くなり、働く時間を削る必要が出てきます。

また、子どもが急に体調を崩したり、学校の行事があったりすると、仕事を休まなければいけません。

そのため、仕事に制限がかかり、思うように働けず、収入が低くなります。

非正規雇用が多い

子どもがいることで、仕事に制限がかかると、正規に雇ってもらえない場合が多いです。

実際に、シングルマザーの約4割の38.8%は非正規雇用で働いています。(「平成28年国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況))

これは時間に制限がかかるという理由だけではありません。

シングルマザーは出産時に一度仕事をやめている場合が多く、仕事にブランクがある人も少なくありません。

そういった人がすぐに正規雇用で採用されるのは難しく、結果、シングルマザーの非正規雇用が増えているのです。

養育費がもらえない

離婚してシングルマザーになった場合、子どもの父親から養育費を受け取る権利があります。

しかし実際は、半数以上の56.9%のシングルマザーが養育費を受け取ったことがありません。(厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」)

養育費の相場は父親の年収によって異なりますが、1人につき2〜4万円です。

その養育費があれば少しは生活がマシになりますが、もらえないとなると、貧困度は増す一方です。

シングルマザーが貧困で苦労することは?

シングルマザーは貧困に陥っても、子どもを育てるという大きな役割があります。

子どもは大人と違って心身ともに成長過程にあるため、ときには大人以上にお金がかかる場面も出てきます。

ここからはシングルマザーならではの貧困で苦労することをご紹介します。

栄養ある食事のための費用

成長過程にある子どもだからこそ、毎日の栄養ある食事が大切です。

栄養ある食事をするためには、野菜や豆、肉、果物など、多くの食材を取り入れる必要があります。

しかし、食費にお金をかけられない場合、炭水化物が多くなる、加工食品が増えるなど栄養が偏ってしまいます。

子どもの食費を優先させるために、母親が食事を抜いているケースもあります。

最近では物価上昇により、食費も上がっているため、シングルマザーへの負担が大きくなっています。

学校で勉強するための費用

義務教育期間であれば、親は子どもを学校へ通わせなければいけません。

その間は、教科書や文房具、給食費など、支払う必要があります。

入学時には制服代、ランドセル代、修学旅行などの行事にもお金がかかります。

また、今では大学進学も一般的なため、シングルマザーにとって大きな負担となるでしょう。

習い事や部活のための費用

最近では、子どもの習い事は当たり前の時代になっています。

複数個を掛け持ちしている場合も多く、月謝は高額になります。

中学や高校に進学すると、部活にもお金がかかります。

特に、ユニフォーム費や大会出場費、遠征費など、10万円以上のお金が必要です。

シングルマザーの場合、そこまでの経済的余裕がなく、習い事や部活を制限している家庭も少なくありません。

シングルマザーの支援制度は?もらえる手当や使える制度まとめ

シングルマザーには経済的な苦労がたくさんありますが、一方で国からの支援を受けることができます。

それを受け取って劇的に生活が変わる訳ではありませんが、知らずに受け取っていない場合、非常に勿体無いです!

最後に、シングルマザーの支援制度をまとめてご紹介しましょう。

児童手当

0歳から中学卒業までの子どもを養育する人が受け取れる制度で、シングルマザーも受け取ることができます。ただし、所得制限があります。

受け取れる金額は

3歳未満…一律1万5000円
3歳以上小学校就学前…1万円(第3子1万5000円)
中学生…一律1万円

です。

児童扶養手当

18歳までの児童を養育するひとり親家庭に支給される手当です。祖父母などの養育者も含まれます。

こちらも所得制限があります。

受け取れる金額は

児童数全部支給一部支給
児童1人のとき4万4140円1万410円~4万4130円
児童2人のとき1万420円を加算5210円~1万410円を加算
児童3人以上のとき3人目以降1人につき6250円を加算3130円~6240円を加算
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7499&dataType=1&pageNo=1

ただし、金額は毎年変更されます。詳細は窓口で確認するようにしましょう。

障害児福祉手当

重度な障害がある子どもを扶養する人に支給される手当です。

条件は以下の通りです。

  • おおむね身体障害者手帳1級、および2級の一部 
  • おおむね愛の手帳1度、および2度の一部 
  • 上記と同等の疾病・精神の障害(専用の診断書による判定あり)

金額は月額1万4,850円と定められています。

特別児童扶養手当

精神、知的または身体障害等(政令で定める程度以上)のある児童を扶養する人に支給される手当です。

条件は以下の通りです。

  • 身体障害者手帳1・2級程度の身体障害、療育手帳の判定がA程度の知的障害、または精神障害者保健福祉手帳1級程度の精神障害
  • 身体障害者手帳3級程度の身体障害または日常生活が著しい制限を受ける程度の知的障害若しくは精神障害

ただし、手帳の等級は目安で、手帳を所持している必要はありません。

乳幼児・義務教育就学児の医療費助成制度

乳幼児または小中学校の子どもが医療機関を受診した際にかかる医療費を一部助成する制度です。

自治体によって助成金額が異なります。

例えば、大阪市の場合、1回あたり最大500円の自己負担で医療を受けることができます。

生活保護

世帯収入が、国が定める最低生活費に満たない場合に受給することができる制度です。

その他にも「資金がない」「親族に頼れない」などの条件があります。

最後のセーフティーネットとも呼ばれ、生活が困窮した時の最終手段です。

シングルマザーの場合、住宅扶助と生活扶助だけでなく、教育扶助、生業扶助、母子加算、妊産婦加算など、追加で支給される項目があります。

窓口では相談も行っていますので、自分に条件が当てはまらないか、一度確認してみるのもいいでしょう。

まとめ

今回はシングルマザーが貧困に苦しむ3つの理由、苦労することや支援制度についてまとめてご紹介しました。

シングルマザーが貧困に苦しむ理由は「仕事に制限がかかる」「非正規雇用が多い」「養育費がもらえない」などが考えられます。

そして「食費」「学費」「習い事・部活費」に苦労します。

複数の支援制度があるため、条件が当てはまる場合はすぐに申請を行いましょう。

少しの余裕が生まれるかもしれません。

どうやっても生活が立ち行かない場合、生活保護受給も視野に入れると良いでしょう。

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