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両親が離婚や死別した際に、子どもの養育者に支給される手当を児童扶養手当といいます。母親が受給する場合、母子手当とも呼ばれます。
児童扶養手当(母子手当)はひとり親世帯にとって生活を支える大切な手当である一方で、高収入な人は受け取れない、または一部支給という所得制限が設けられています。
今回は児童扶養手当(母子手当)の所得制限について、複雑な計算方法をわかりやすく解説します。
児童扶養手当(母子手当)の所得制限は、扶養する子どもの「人数」と養育者の「児童扶養手当の計算に基づいて出た前年度所得」によって判断されます。
以下で、児童扶養手当(母子手当)の所得の計算方法や所得制限額について詳しくご紹介します。
児童扶養手当(母子手当)の所得は少し複雑な計算で出されます。式にするとこんな感じです。
=所得+(年間養育費の8割)−8万円(一律控除)−諸控除
所得とは、会社員やパート勤務の場合は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」に記入された数字です。個人事業主の場合は確定申告書類の「所得金額の合計」に書かれた数字を確認してください。
そこに、養育費をもらっている人は年間額の8割を足し、一律控除の8万円とその他控除額を引きます。
なお、その他控除は
などが適用されます。
例えば、給与所得80万円の人が年間24万円の養育費をもらい、その他控除がなかった場合を計算します。
800,000+192,000−80,000−0=912,000円
答えは912,000円になったので、これを基準に所得制限があるのか確認します。
児童扶養手当(母子手当)は所得を2段階に区切り、全部支給と一部支給に分かれています。以下、児童扶養手当(母子手当)の所得制限限度額を表にまとめました。
扶養人数 | 本人(父、母、または養育者) | |
全額支給 | 一部支給 | |
0人 | 49万円 | 192万円 |
1人 | 87万円 | 230万円 |
2人 | 125万円 | 268万円 |
3人 | 163万円 | 306万円 |
例えば、子ども1人を扶養している場合、前年度所得が86万円以内であれば児童扶養手当(母子手当)を全額受給できます。反対に、192万円以上の場合、児童扶養手当(母子手当)の支給対象外となります。
前述で計算した所得を元に、自分が所得制限ありなのか、なしなのか確認してみてください。
所得制限の有無がわかったら、児童扶養手当(母子手当)の支給額を見てみましょう。
以下の表にまとめました。
子どもの人数 | 全部支給 | 一部支給 |
1人 | 43,070円 | 43,060円~10,160円 |
2人 | 10,170円加算 | 10,160円~5,090円加算 |
3人 | 1人につき6,100円加算 | 6,090円~3,050円加算 |
全額支給だと金額が決まっていますが、一部支給だとそれぞれの金額に幅があります。
一部支給の場合は、計算式に当てはめて計算すれば自分で確認できます。計算式は以下の通りです。
=一部支給の上限額−{(所得額−全部支給の場合の所得制限限度額)×所得制限係数}
※ {}の内の額は10円未満四捨五入
これには、以下の厚生労働省が計算した所得制限係数が必要です。
例えば、子どもが1人で、所得が150万円の場合を計算します。
43,070円−{(150万−87万)×0.0235804}=28,210円
出た答えは28,210円なので、この場合は毎月28,210円が支給されます。
複雑ではありますが、公式に当てはめると簡単に出てくるため、気になる方は計算してみましょう。
今回は児童扶養手当(母子手当)の所得制限について、複雑な計算方法をわかりやすく解説しました。
児童扶養手当(母子手当)に関する所得の計算は、通常の所得計算とは異なるため、気をつけましょう。特に養育費をもらっている人は計算を誤ると金額が大きく変わるため、要注意です。
所得の計算方法
=所得+(年間養育費の8割)−8万円(一律控除)−諸控除
また、所得制限の一部支給に当てはまった人は以下の計算で支給額がわかります。
支給金額の計算方法
=一部支給の上限額−{(所得額−全部支給の場合の所得制限限度額)×所得制限係数}
※ {}の内の額は10円未満四捨五入
この記事を参考に、自分がどのくらい支給できるのか、ぜひ確認してみてください!