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生活保護はアルバイトなどで収入があっても、一定の条件を満たせば受給することができます。
では、自営業として収入がある場合、生活保護は受けられるのでしょうか。
また、生活保護受給者が自営業として開業する可能性も考えられますが…それは禁止されていないのでしょうか。
今回は自営業でも生活保護は受けられるのか、受給者がこれから開業する場合も合わせて解説していきます!
まずは、自営業でも生活保護は受けられるのかご紹介しましょう。
結論からいうと、自営業でも生活保護は受けられます。
それは、生活保護法にある無差別平等の決まりを見るとわかります。
以下は該当する条文です。
生活保護法 第二条(無差別平等)
すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。(引用:○生活保護法)
生活保護は「定める要件を満たす限り」「無差別平等に受けることができる」のです。
つまり、自営業であっても条件を満たせば、生活保護は受けられると言えます。
ここで生活保護の条件をご紹介します。
生活保護は「資産がない」「収入が最低生活費以下」「親族に援助を頼めない」などの条件を満たすことで受給できます。
「資産がない」とは、不動産や自動車、貯蓄、株や証券を持っていないことを指します。
しかし、自営業をしていると、トラックなど自動車を持っている場合も多いでしょう。
原則として自動車の保有は認められませんが、自営業の場合、自動車がなければ仕事ができない、手放すことでかえって自立が遅くなる、などの可能性があります。
そのため、事業で使用することを具体的に説明できれば保有が許可されるケースが多いです。
その他にも、店舗や倉庫など事業に必要不可欠で資産となりそうなものがある場合、ケースワーカーに正直に申告し許可を得るようにしましょう。
収入については、自営業の場合、もらった報酬から必要経費を引いた金額のことを指します。
必要経費とは、原材料や店の光熱費、仕入れ代などです。
何でも経費として処理はできません。不備があれば不正受給を疑われるため、福祉事務所に問い合わせて詳しく聞くのがおすすめです。
ここまでで、自営業でも生活保護を受けられると説明しましたが、状況に応じてさまざまなケースがあるため、審査を通すのは容易ではありません。
ここからは、自営業で生活保護が受けられない可能性が高い場合をご紹介します。
個別の状況によっては、受けられる可能性もゼロではありません。
この記事は参考程度にして、福祉事務所に直接相談するようにしましょう。
まずは、従業員がいる場合です。
従業員がいると、給料が発生します。その分、経費の把握がしにくく、収入額の判断が難しくなります。
事業の状況によっては、従業員を減らして会社の負担を減らすように指導を受ける可能性もあるでしょう。
2つ目は、借金がある場合です。
生活保護では借金の返済はできません。
もし自営業で借金があって生活が困窮している場合は、生活保護の申請と同時に自己破産を行います。
自己破産して条件が満たされれば、生活保護の受給許可が降りる可能性が高まります。
福祉事務所と同時に、法テラスへの相談がおすすめです。
3つ目は、会社勤めが可能な場合です。
自営業としての収入が少なくても、どこかの会社で雇ってもらえば収入が上がるかもしれません。
もし、会社勤めができるなら、自営業を辞めて会社勤めするように指導を受ける可能性が高いでしょう。
しかし、家族や自分に障害がある場合や、高齢者の場合、その他何らかの理由で自営業以外の仕事につけない場合は、自営業のまま生活保護受給を認められる可能性があります。
申請する時に、自営業以外では働けない正当な理由を説明できるようにしておきましょう。
次は、現在、生活保護を受給している人がこれから開業することはできるのか、をご紹介します。
結論からいうと、生活保護受給者の開業は可能です。
ただし、前述した通り、会社勤めが可能な場合は自営業よりも会社に就職するように指導される可能性が高いです。
自営業は開業当時は特に収入が不安定になります。
もし自営業以外で収入を得られるのであれば、そちらで収入を得て自立に近づくように指導されるでしょう。
そして、生活保護受給者が開業する時は、必ずケースワーカーに報告します。
働く会社が決まった時にケースワーカーに報告するのと同様です。
この時に、自営業でないといけない理由をケースワーカーに伝え、許可を得るようにしましょう。
開業して収入が出た時は、必ず申告します。
収入の申告漏れがあった場合、不正受給になります。
経費の計算も含め収支報告書にまとめて、福祉事務所に提出できるよう準備しましょう。
自営業の場合は個別に状況が異なるため、不明点があれば、福祉事務所に直接問い合わせるのがおすすめです。
最後に、自営業の生活保護受給者が注意すべき点についてご紹介します。
自営業は会社勤めよりも収入が見えにくい場合が多いです。
そのため、収入を隠せると安易に思う人もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。
自営業をしていると、銀行を介さずに収入を得ることもあります。つまり、手渡しによる収入です。
この場合、黙っていれば誤魔化せるのでは、と考える人もいるでしょう。
しかし、通常は相手側が人を雇ったことを経費として税務署に報告します。
そこで誰にどのような収入があったかが発覚します。
少額であれば、すぐに通知がいかない場合がほとんどですが、数年後にまとめて生活保護費の返還を求められる可能性があります。
報酬を払う相手が個人の場合、発覚しない可能性もあります。
ただし、ケースワーカーの家庭訪問や貯金の金額確認などによって怪しまれると調査が行われるため、容易に隠すことはできないでしょう。
自営業として、福祉事務所に正しい収入申告を提出していたとしても、ある点で注意が必要です。
それは確定申告で得た還付金です。
自営業で働いていると、報酬内容によっては源泉徴収税が引かれる場合があります。
そして、収入が一定金額より少ないと、確定申告を行うことで以前に引かれた源泉徴収税が還付されます。
生活保護を受給しているということは、収入が一定金額より少ない場合にあたるため、報酬で源泉徴収税を引かれた経験のある人は還付を受けることになるでしょう。
ここで注意が必要です。
それは、税務署からの還付金は生活保護の収入申告の対象になるからです。
つまり、受給者が純粋に受け取れるお金ではありません。
また、税務署からの還付金も上記同様に隠すことはできません。
還付金が入ったら速やかに収入申告を行いましょう。
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今回は自営業でも生活保護は受けられるのか、受給者がこれから開業する場合も合わせて解説しました。
自営業でも生活保護は受けられます。
生活保護は条件を満たせば、無差別平等に受給できると決まっているからです。
自営業の場合、事業に使用する自動車や不動産は保有が認められることもあります。
隠して保有すると不正受給を疑われるため、必ず報告するようにしましょう。
また、「従業員がいる場合」「借金がある場合」「会社勤めが可能な場合」は生活保護を受けられない可能性が高いです。
それぞれ状況が異なるため、詳しくは福祉事務所に直接相談することがおすすめです。
現在、生活保護を受給している人がこれから開業することも可能です。
しかし、自営業でないといけない正当な理由が必要になります。自営業は不安定な仕事なので、会社勤めした方が自立に近づくからです。
また、開業する際にはケースワーカーに報告し、収入申告を怠らないように注意しましょう。
その他、注意点として「手渡しの場合も必ず収入申告すること」「確定申告で得た還付金も収入申告の対象であること」があげられます。
自営業は収入が見えにくい場合があります。
手渡しだと収入を隠せると考える人も少なくないでしょう。
しかし、収入を隠せば不正受給となり、発覚した後に生活保護費の返還が求められます。
また、還付金についても収入申告が必要です。
黙っていたとしても税務署や銀行経由で発覚するため、必ず収入申告するようにしましょう。
福祉事務所と連携して、正しく自営業として働くことが大切です。
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