母子家庭はずるいと思われるのはなぜ?現状・理由・心理を解説

母親が1人でも子供を育てる母子家庭に対する支援は手厚いものがあります。

こうした理由もあってか、「母子家庭はずるい!」と感じる方が少なくありません。

最大の要因は「さまざまな手当がもらえる」からですが、母子家庭の現状を知る人は意外と少ないのではないでしょうか。

本記事では、母子家庭がずるいと思われる理由や現状、心理などを解説します。

母子家庭はずるいと思う前に知っておきたい母子家庭の現状

母子家庭に対する支援が手厚い理由には、母子家庭を取り巻く現実が厳しい点が挙げられます。

最初に母子家庭の現状について解説します。

母子世帯は119.5万世帯

政府は、昭和27年から5年に1度の割合で「全国ひとり親世帯等調査」を行い、最新の令和3年度の調査では、母子家庭が119.5万世帯いることが明らかとなりました。

父子世帯が14.9万世帯と比較すると、その数は相当な大差と言えます。参照:こども家庭庁

ひとり親になった理由として、母子世帯のおよそ80%が離婚、死別が5%ほどで、死別が20%ほどの父子世帯とは異なる傾向にあると言えるでしょう。

平均年収に大差

母子世帯と父子世帯で、平均年収に決定的な違いがあります。

母子世帯の平均年収は272万円に対し、父子世帯は518万円と倍ほどの違いがあるのです。

母子世帯を切り盛りする母親の半数ほどしか正社員で働いておらず、パートアルバイトが4割ほどいます。

一方、父子世帯は7割ほどが正社員、1割半が自営業で、パートアルバイトはわずか5%しかいません。

一方、養育費に関して、母子世帯で養育費の取り決めをしているケースが半数に満たず、現在も受け取っているケースは3割程度と少なめです。参照:こども家庭庁

経済的に厳しい母子世帯が多く、行政がサポートをせざるを得ない状況にあることがわかります。

母子家庭がずるいと思う理由

母子家庭の厳しい現状を知れば、母子家庭への支援は決してずるくないと言えるでしょう。

しかし、母子家庭がずるいと感じる人はいます。

その主な理由を以下にまとめました。

  • 手厚い支援を受けている
  • 子育てを理由に職場などで配慮されている
  • 被害者を演じている

上記の内容についてそれぞれ解説します。

手厚い支援を受けている

国民は、要件を満たした場合は生活保護を無差別平等に受けることができます。

母子世帯と父子世帯の平均年収の格差を埋めるため、母子家庭には手厚い支援があります。

主な支援として、教育支援や生活支援、就労支援、経済的支援などがあり、低所得世帯に対する給付なども実施されています。

これらの支援に対し、ずるい!と感じる人がいる状況です。

しかし、母子世帯と父子世帯で平均年収が200万円以上の差がある以上、その差を少しでも埋めていくことは必要です。

国民は、要件を満たした場合は生活保護を無差別平等に受けることができます。

子育てを理由に職場などで配慮されている

子どもが急に熱を出すなどの状況で、誰も面倒を見る人がいない場合には、職場を早退して保育所などから子どもを引き取らざるをえません。

その際に、同僚たちに許しを得る形で職場を離れることになります。

多くの人は致し方ないと思って許しますが、一部の社員は自分の仕事が増えるからなどの理由で、その配慮に不愉快な思いを抱くのです。

被害者を演じている

ネットで見られる「母子家庭はずるい」という意見で見られるのは、被害者を演じているという意見です。

「離婚をしたのは自分のせいなのに被害者ぶっている!」という意見が目立ちます。

しかし、なぜ離婚をしたかは人それぞれであり、死別という形でシングルマザーになったケースもあります。

被害者ぶるという発想は言いがかりにも程がある一方、自己責任だ!と主張する人が多くいるのも事実です。

母子家庭はずるい!と思う側の心理

なぜ母子家庭はずるいと感じるのか、そのように考える人の心理をまとめました。

  • 手当がもらえないからずるいと感じる
  • 配慮がされないからずるいと感じる
  • 女性優遇だからずるいと感じる

本項目では上記の心理について解説します。

手当がもらえないからずるいと感じる

母子家庭は、父子家庭との格差を埋めるため、さまざまな手当がもらえます。

この手当に対し、「自分なんか手当をもらうことがないのにずるい!」と感じる人がいるのです。

こうした手当は必ず何らかの理由があって行われる必要なことであって、過剰な優遇ではありません。

しかし、「手当をもらっている」ことだけが取りざたされると、損をしているような心理になると考えられます。

配慮がされないからずるいと感じる

母子家庭に対してはさまざまな配慮がなされ、少しでも負担を軽減しようと周囲が行動を起こします。

こうした行動に、「自分だって配慮をされたい!」と感じる人がずるいと感じやすいのです。

ただ、この配慮も母子家庭にとって必要なことであり、やはり過剰な優遇ではありません。

女性優遇だからずるいと感じる

男性を中心に、「女性を優遇してばかりでずるい!」と感じる人がいます。

「生活が苦しいのは単身世帯の男性も同じ!」と母子世帯への優遇に不公平感を訴える人が少なくありません。

もちろん単身世帯も苦しいですが、子どもを抱えながら仕事を行う母親も相当大変であり、子どもの貧困問題を考えると無視できないのも事実です。

単に優遇されていることばかりに目がいく人が多いのが実情です。

まとめ

母子家庭の経済状況などを考えると、母子家庭への支援は妥当なものばかりと言えます。

これらを「甘え」、「自己責任」と一刀両断するのは無理筋です。

全ての人が幸せに、健康的な生活を過ごすためには、一定の配慮が欠かせません。

誰でもセーフティーネットが利用できる時代になることがとても重要です。

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