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生活保護受給者は「冬季加算」として灯油代を受け取ることができます。
寒さが厳しい地域ほど灯油代を多く受け取れるのが特徴的です。
本項目では、生活保護でもらえる灯油代はいくらかなのかを中心に、灯油代以外の冬季加算や冬季加算の引き下げ問題などをまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。
生活保護の制度には、冬季期間に受け取れる「冬季加算」という制度が存在します。
本項目では冬季加算の詳細についてまとめました。
冬季加算は、生活保護受給世帯を対象に、冬季期間に限って支給されるお金です。
冬季加算の主な目的は「寒冷地に住む生活保護受給世帯の負担を軽減させること」です。
灯油代を始め、電気代やガス代など「寒さをしのぐためにかかる費用」を賄うのに活用できます。
一方で、冬季加算は使途を限定していません。
例えば、寒さをしのぐために防寒服を購入するような使い道でも大丈夫です。
冬季加算の支給期間や額は、地域によって異なります。
冬季加算に関しては主に6つの地域区分があり、エリアに応じて支給期間や額が異なる仕組みです。
支給期間の場合、1区と2区は10月から4月、3区と4区は11月から4月、5区と6区は11月から3月と決められています。
1区と2区は最長の7か月間冬季加算を受け取れるのに対し、5区と6区は5カ月しか受け取れません。
冬季加算の額も地域区分によって異なりますが、地域区分以外にも世帯構成人数や級地区分が影響します。
そのため、同じ地域区分の世帯でも、世帯人数や級地区分に違いがあると、加算額に差が生じる形です。
実際に冬季加算で受け取れるお金はいくらぐらいなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
地域区分が6区である千葉県千葉市を例にすると、千葉市は1級地-2に該当し、単身世帯で2,630円の冬季加算を受け取れます。
世帯人数が増えるごとに増加していき、9人の場合は5,560円で、10人以上からは1人180円ずつ増える計算です。
例えば、千葉市で10人が暮らす場合には5,740円が冬季加算として受け取れます。
一方、地域区分が1区である北海道札幌市の場合、札幌市も千葉市と同様1級地-2に該当しますが、単身世帯で12,780円と千葉市のケースと比べて1万円以上多く受け取れる形です。
世帯人数が10人の場合には27,840円と、千葉市のケースより2万円以上多く受け取れることが分かります。
千葉市の場合、1月の平均気温は5~7度台で推移しますが、札幌市の場合は1月の平均気温が氷点下1~5度台で推移する状況です。
同じ1月でありながら、場所によって気温が大きく異なるほか、積雪の有無も出てきます。灯油代として受け取れる額に地域差があるのは当然と言えます。
寒い時期に受け取れる灯油代などの冬季加算ですが、実は過去に引き下げられたことがあります。
本項目では灯油代の引き下げ問題についてまとめました。
2015年に、冬季加算が全国各地で見直され、多くの地域で引き下げられました。
低所得世帯の光熱費や光熱費物価の動向、豪雪地帯などへの配慮などを加味して、冬季加算の見直しが行われたのです。
引き下げの影響は大きく、引き下げ前の平成26年度では生活保護受給世帯における水道光熱費は13,044円でしたが、平成27年度では11,113円と下がりました。
支出割合では平成26年度が10.5%だったのに対し、平成27年度は9.0%と明らかに割合が下がっていることがわかります。参照:厚生労働省
近年原油価格の高騰などもあり、光熱費が急騰し、家計を圧迫するケースが増えています。
例えば、2015年の電気料金の平均単価は1kWh26.02円でしたが、2022年度には34.00円と跳ね上がっています。参照:資源エネルギー庁
光熱費が明らかに高騰している一方、冬季加算が原油価格の高騰に合わせて増額されたというニュースは聞かれません。
その代わり、「福祉灯油特別対策事業」として、冬季加算とは別に灯油代などが支給されるケースがあります。
北海道北広島市では、生活保護受給世帯などを対象に福祉灯油特別対策事業が実施され、生活保護受給世帯は1世帯5,000円、障がい者・ひとり親世帯などは1世帯10,000円が支給されています。
最近では冬季加算のほか、夏の酷暑に対応すべきという理由で「夏季加算」を新設すべきという意見も出ています。
いずれにしても、必要最低限の生活を確保するために冬季加算のような制度は欠かせません。
一方、光熱費高騰の状況に対して柔軟に対応する制度になっておらず、対策が求められています。
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