生活保護で医療費は本当に無料になるのか?

病気などさまざまな理由で収入が得られない人を救済する制度が、生活保護です。

生活保護は生活におけるさまざまな面をサポートしてくれますが、生活保護は医療費の支払いも免除されるのでしょうか。

今回は、生活保護と医療費の関係について、詳しく解説します。

生活保護受給者は医療費扶助の対象

生活保護受給対象者は、医療費を無料で済ませることが可能です。

生活保護は、生活費を扶助する生活扶助、家賃の支払いをサポートする住宅扶助など、合計8種類の扶助があります。

そのなかの1つが医療費扶助です。

受給対象者に毎月支給される生活費・家賃を対象とした生活保護費は現金で支給されます。

しかし、生活保護の医療費扶助は、病院で支払わなくてはいけない医療費が無料になる仕組みです。

そのため、医療費が現金として支給されるわけではありません。

医療費扶助の特徴

次より、生活保護における医療費扶助のポイントについて説明します。

医療券が必要

医療費扶助を受けるためには、自治体から発行される医療券が必要です。

これを医療機関にて診察を受ける際、提出をすれば医療費扶助を受けることができます。

医療費扶助が適用されるのは指定医療機関のみ

医療費扶助が可能になる医療券は、全国すべての医療機関で適用されるわけではありません。

自治体が指定した指定医療機関であれば医療券の利用が可能です。

指定医療機関は以下の方法で知ることができます。

  • 役所のHPで確認
  • 担当ケースワーカーに相談する

生活保護を受ける前に通院していた病院が指定医療機関でない場合、医療費扶助ができないため、注意が必要です。

緊急時であれば事後報告でも問題なし

夜間などの緊急時、あるいは医療券の発行を受け付けていない土日祝日に病院に行く場合、医療券がなくても診察に対応してくれます。

生活保護受給の証明証を提示すれば、医療券なしでも問題ありません。

ただし、緊急時であることが条件なので、いつでも医療券なしが認められるとは限りません。

また、一時的に医療費を立て替えなくてはいけないケースもあるため、注意が必要です。

歩行杖・義肢や眼鏡の購入費も無料

医療費扶助は、診察・処方される薬にかかる費用だけが扶助対象ではなく、治療材料費と言われているものも扶助の対象内です。

眼鏡や歩行杖・義肢などにかかる費用が治療材料費に該当します。

たとえば、眼鏡にかかる費用を扶助したい場合、担当のケースワーカーに相談をして医療券と給付要否意見書を発行してもらい、それを眼鏡屋に提示すれば料金は無料になります。

生活保護の申請から医療費扶助までの流れ

生活保護の申請・医療費扶助はどのような手順で行なうのか、次よりその流れを説明しましょう。

生活保護の申請手続きの手順

医療費扶助を実現するためには、まず生活保護の受給対象者として認められないといけません。

生活保護の条件は、「さまざまな理由で収入がなく、厚生労働省の定める最低生活費を満たしていないこと」です。

また、以下の条件も満たさないといけません。

  • 不動産・車などの資産を持っていない
  • 生活が困窮している
  • 公的融資制度や公的扶助の対象外
  • 三親等以内の親族から支援を受けられない

これらを満たしているか確認して、最寄りの福祉事務所に行き、生活保護受給の希望を伝えます。

その後、ケースワーカーの家庭訪問・各調査があり、審査を通過すれば生活保護の対象として受給が開始されます。

事前に担当のケースワーカーに連絡

生活保護受給が始まれば医療扶助の対象者にもなります。

医療扶助を希望する場合、まずやることは医療扶助を希望していることを、担当ケースワーカーに報告・相談することです。

ケースワーカーが「生活保護対象者が本当に病院での受診が必要であるかどうか」を確認します。

通院が必要と判断した場合、ケースワーカーの連絡により、自治体から医療券が発行されます。

発行された医療券は有効期限があるのが特徴です。

有効期限を過ぎると医療券としての機能が無効となるため、期限が過ぎる前に使用しないといけません。

医療券は有効期限内に医療機関に提出すれば、次からは身分証明証の提示だけで済みます。

発行された医療券を持って指定医療機関へ

先述したとおり、医療券は、どの病院でも使用可能なわけではなく、自治体により選定された指定医療機関でないと利用ができません。

指定医療機関以外の病院に行くという間違いをしないように、事前に担当のケースワーカーにどの病院で利用可能なのか聞いておきましょう。

そして医療券に関しては、もう一つ注意事項があります。

それは「医療券は、一つの科に対して一つの病院でしか発行されない」という点です。

指定医療機関であるA内科に通院してみたものの、いまいち自分と合わないといったケースは少なくありません。

そのような方がA内科への通院をやめて別のB内科という病院に行く場合、医療券はB内科では使えません。

別の病院に行く場合、所有している医療券の利用を停止処分した後に、新規の医療券を発行する必要があります。

また、医療券が利用できるのは、保険適用内の治療なので、自由診療扱いの治療には医療券は使えません。

まとめ

生活保護は困窮した生活を支援してくれるありがたい制度で、医療費の扶助を受けることも可能です。

医療費扶助をスムーズに受けるためには、指定された医療機関以外では診察を受けることができないといった、注意点・申し込み手順などを覚えておく必要があります。

医療費扶助の仕組みをしっかりと理解して、負担のかからない生活を送りましょう。

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