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多くの大学生が利用している奨学金制度は、数百万円の貸付で返済期間が10年以上の長期にわたります。
その返済期間中に、病気になって働けないなどで生活保護受給者になる場合もあるでしょう。
生活保護費は用途が限られ、最低限の支給なため、奨学金の返済まで手が回らない人も多いです。もしやりくりできても、生活保護費を奨学金の返済に充ててもいいのでしょうか?
今回は生活保護で奨学金は返済できない?支払いはどうなる?猶予方法を詳しく解説していきます。
そもそも生活保護には、借金を返済してはいけない決まりがあります。
生活保護はあくまで、受給者が最低限度の生活を送るために必要な住居費や生活費、医療費などの支給が行われます。そして、その目的は受給者の自立を助長するためです。
借金返済は、最低限度の生活に含まれず、さらに、個人の負債を国や自治体が負担することは倫理的にも許されません。
借金がある人が生活保護を受給する場合は、受給前に自己破産することがほとんどです。
さらに、生活保護は受給前に申請者に借金があるか徹底的に調査するため、隠れて返済することは困難です。
もし隠れて生活保護費を使い借金を返済した場合、不正受給となり、生活保護の支給停止や費用の返還が求められます。
なので、絶対に生活保護費からの借金返済はやめましょう。
では、奨学金はどのような扱いになるのでしょうか。
奨学金は学校へ通うためのものではありますが、言い換えるとやはり借金に該当します。つまり、生活保護を受給すると奨学金の返済もできません。
「返済できない」というより「返済すると不正受給になる」のです。
とはいえ、自己破産するにはリスクが高すぎます。
ここからは、生活保護で奨学金が返済できなくなった時、支払いはどうしたらいいのかを解説します。
まず、生活保護の受給が決定したら借り入れしている奨学金機構に連絡します。
ここでは、奨学金利用者のほとんどが利用する「独立行政法人日本学生支援機構」(JASSO)の場合をご紹介します。
日本学生支援機構では、生活保護受給中の人に対して「延滞据置猶予」という方法で返済を猶予してくれます。
必要書類は、最近2ヶ月以内に発行された「生活保護受給証明書」で、社会福祉事務所から発行してもらいます。また、所定の「猶予願&チェックシート」も合わせて提出します。
これまで延滞なく支払っており、日本学生支援機構にマイナンバーを提出しているなど、条件が揃っている場合、以下のウェブサイトから申請が可能です。
スカラネット・パーソナル
ウェブサイトからの申請が難しい場合、郵送で提出します。
一般的な奨学金の猶予期限は、最大で10年と決められています。
しかし、生活保護受給中の猶予期間には制限がありません。つまり、生活保護を受給中は何年でも奨学金の返済を猶予できるということです。
ただし、注意点があります。それは奨学金の猶予申請は1年ごとに行わなければいけないことです。
申請漏れのないように注意しましょう。
詳細は独立行政法人日本学生支援機構のウェブサイトをご確認ください。
奨学金の返済は、生活保護を受給していない人にとっても困難な場合が多いでしょう。
最後に、奨学金を返せないとどうなるのか、返せない時の対処方法などをご紹介します。
まず、奨学金を返せずに放置した場合は以下の可能性があります。
これらをみると、奨学金の返済放置は必ず避けるべきだとわかります。
では、どうしたらいいのでしょうか。方法は2つ考えられます。
1つ目は「減額返還制度」です。これは返済期間を延長し、月々の支払い額を減らせる制度です。
対象者は、これまで延滞なく返済してきた、年収325万円以下の人です。
2つ目は「返済期間猶予制度」です。生活保護受給中でなくても、返済期間を猶予してもらえます。
対象者は、年収300万円以下の人です。こちらは最長10年間の猶予が可能です。
どちらの制度も、利用によって利息が増えることはありません。対象者に該当し毎月の返済に負担を感じている人は安心して、検討しましょう。
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今回は生活保護で奨学金は返済できない?支払いはどうなる?猶予方法を詳しく解説しました。
そもそも生活保護では借金の返済は禁止されており、発覚すれば不正受給として制度の停止や費用の返還が求められる可能性があります。
奨学金も学費のためとはいえ、借金の部類に入るため、生活保護での返済はしてはいけません。隠れて返済しても福祉事務所の調査により、発覚する可能性が高いため、絶対にしないようにしましょう。
生活保護を受給中に奨学金の返済が残っている人は、日本学生支援機構に返済の猶予申請を行います。
1年に1回、条件が揃えばウェブサイト上で簡単に申請可能です。
また、生活保護受給中は無期限で奨学金の返済が猶予されるため、安心です。
生活の安定と自立のために、一旦奨学金の返済を忘れて、休養や準備を整えましょう。