生活困窮者自立支援制度とは?7つの支援事業をわかりやすく解説します!

「働きたくても働けない…」
「お金がなくて生活が苦しい…」
「働いても働いてもお金がない…」

日本にも生活に困窮した人は大勢います。一度困窮状態に陥ると、1人で安定した生活を目指すのは難しいのが現状です。

そのための支援制度として、生活困窮者自立支援制度があります。

2015年から始まった制度ですが、まだ認知度は高いとはいえません。

今回は生活困窮者自立支援制度について、7つの支援事業をわかりやすく解説します。

生活困窮者自立支援制度とは?

生活困窮者自立支援制度とは、2015年4月から始まった制度で全国に相談窓口が設置されています。

一体誰のために、どんな目的で始まった制度なのでしょうか。

ここでは、対象者と目的についてご紹介します。

対象者

生活困窮者自立支援制度の対象者は、さまざまな事情で経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できないおそれがある人で、自立が見込まれる人です。

生活困窮というと生活保護をイメージしますが、この制度では生活保護受給者は対象外で、その前段階の生活保護に至る可能性がある人が対象というのが特徴です。

ただし、生活保護世帯の子どもは将来困窮状態に陥る可能性が高く、支援が必要となるので対象者に含まれます。

目的

生活困窮者自立支援制度の目的は、自立の促進を図ることです。

それぞれの状況に応じた支援を行い、最終的には仕事に就く、収入増加など、支援なしで生活を送れることを目指します。

生活困窮者自立支援制度と生活保護の違いは?

生活困窮者自立支援制度は、生活に困窮している人を支援し自立を目的とする制度です。一方、生活保護も受給者の自立を目的とします。

この2つの制度には、どのような違いがあるのでしょうか。

それは対象者と支援方法です。

生活困窮者自立支援制度の対象者は、生活に困窮し生活保護に至るおそれのある人です。

つまり、生活保護までは困窮していない状態です。

生活保護受給には「収入が最低生活費以下」「資産がない」「援助してくれる親族がいない」などの条件があります。

もし収入が最低生活費より少しでも上回っていれば、受給できません。しかし、少し上回っているからといって困窮していない訳ではありません。

そんな時に、生活困窮者自立支援制度を利用し、安定した収入を得られるように支援を受けます。

また、生活保護は毎月扶助や加算と呼ばれるお金を支給してもらえます。

一方、生活困窮者自立支援制度は相談支援の提供が基本で、定期的にお金を支給してもらえる制度ではありません。

生活が困窮状態に陥ったら、まずは生活困窮者自立支援制度を利用し、生活保護制度は本当に最後のセーフティーネット、というイメージで考えるとわかりやすいでしょう。

生活困窮者自立支援制度の7つの事業とは?

ではここから、生活困窮者自立支援制度の7つの事業をご紹介します。

自立相談支援事業

自立相談支援事業とは、その人の状況を聞き出し、その人にあった支援プランを考えてくれる制度です。

就労状態や家計、住む家など、生活に関係する不安を相談できます。

住居確保給付金

住居確保給付金とは、離職によって家賃が払えず住む場所を失いそうな人へ就職活動をするという条件のもと、家賃補助を行う制度です。

住む場所がないと安定した仕事を探すのは難しくなります。その対策として行われています。

就労準備支援事業

社会に出る不安がある人や職場のコミュニケーションに自信がない人に、6ヶ月から1年の間、働く基礎能力を身につけるための準備を支援します。

急いで働くと無理が生じ、離職につながるかもしれません。そのようなことがないように、プログラムにそった支援が受けられます。

就労訓練事業

就労準備支援事業だけでは不十分な人に、支援つきの就労の場が提供されるのが就労訓練事業です。

実際に体験をして働くことに慣れていきます。事業所によっては賃金が支払われる場合もあります。

家計改善支援事業

家計管理について把握し、アドバイスしてくれます。必要であれば貸付の斡旋も行います。

子どもの学習・生活支援事業

子どもの学習支援から生活習慣、居場所づくり、進学や高校中退を防止する支援をします。

また、保護者に子どもの進学への助言なども行います。

一時生活支援事業

ネットカフェや公園などで寝泊まりをする、住まいがない人に、一定期間、衣食住を提供します。

その後の生活についても、就労支援などの自立支援を続けます。

生活困窮者自立支援制度の現状は?

これだけの支援事業がある生活困窮者自立支援制度ですが、現状はどのように活用されているのでしょうか。

厚生労働省によると、2015年に開始した生活困窮者自立支援制度の利用者は2年間で、約45万人、継続的な支援を行ったのは約12万人です。

しかも、継続的な支援を行った約6万人が就労・増収に至っています。

自治体によっては、まだ試行錯誤を行っているところもあり、今後の課題だと考えられています。

しかし、この現状をみると今後も生活困窮者自立支援制度によって多くの人が自立の一歩を歩める可能性が高いでしょう。

生活困窮者自立制度に注目と期待が集まります。

まとめ

今回は生活困窮者自立支援制度について、7つの支援事業をわかりやすく解説しました。

生活困窮者自立支援制度は、最低限度の生活が送れなくなるおそれのある人で、自立の見込みがある人を対象とし、その人の自立を目的とします。

生活保護とは対象者、支援方法が異なり、生活保護受給に至る前に、生活困窮者自立支援制度の利用が求められます。

生活困窮者自立支援制度は

  • 自立相談支援事業
  • 住居確保給付金
  • 就労準備支援事業
  • 就労訓練事業
  • 家計改善支援事業
  • 子どもの学習・生活支援事業
  • 一時生活支援事業

の7つの事業があります。

この制度のおかげで、開始から2年間で約6万人が就労・増収に至りました。

今後も生活困窮者自立支援制度は多くの生活困窮者を救う制度となるでしょう。

もしこの制度を利用したいと感じた人は、以下のURLからお近くの窓口までご相談ください。

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