福祉事務所と市役所の違いは?福祉事務所ってどんなところ?

生活保護の手続きを行う際、窓口になるのが福祉事務所です。

市役所の中にあることも多いため、市役所と福祉事務所の違いがわからないという方も多いでしょう。

とてもややこしいですが、生活保護を担当する市役所の人は「市役所の人」ではなく、じつは「福祉事務所の人」なのです。

今回は福祉事務所と市役所の違いについて、そもそも福祉事務所とはどのようなところなのかを解説していきます。

福祉事務所と市役所の違いは?

生活保護の申請や相談を行う時、市役所の福祉窓口へ行く人が多いと思います。

この時点で、市役所の人に相談すると思っている人も多いでしょう。

しかし、実際は市役所にいる福祉事務所の人に相談するということなのです。

市役所はさまざまな手続きを行う地域の行政機関です。

一方、福祉事務所は福祉関係の事務に絞った、市役所とはまた別の行政機関になります。

生活保護の仕事は福祉事務所が担当し、例え市役所内に窓口があったとしても、そこは福祉事務所なのです。

そのため、生活保護の相談に行った時、担当者に名刺をもらった場合、そこには市役所の名前ではなく福祉事務所の名前が記されるでしょう。

自治体によって、福祉事務所として建物が存在する場合もありますが、市役所内に入っている場合もあるため、混同されることが多くなっています。

それで困ることは少ないですが、豆知識として覚えておくと良いでしょう。

福祉事務所とはどんなところ?働く人は公務員?

では次に、福祉事務所とはどのようなところなのか、業務内容や働く人についてご紹介していきます。

福祉事務所とは

福祉事務所とは、福祉六法に定める援護、育成、または更生の措置に関する事務を担当する社会福祉行政機関のことを言います。

福祉六法とは、以下の法律を指します。

  • 生活保護法
  • 児童福祉法
  • 母子及び父子並びに寡婦福祉法
  • 老人福祉法
  • 身体障害者福祉法
  • 知的障害者福祉法

ひとつひとつ簡単に説明しましょう。

生活保護法

生活保護法に関する手続きとは、生活が困窮する状態の人に、最低限度の生活を保障するための相談、支援を行うことです。

例えば、生活保護の申請手続きがこれにあたります。

児童福祉法

児童福祉法に関する手続きとは、児童が適切に養育され、心身の健やかな成長および発達が保障されるための相談や支援を行うことです。

例えば、子ども医療費助成や児童手当などの事務作業がこれにあたります。

母子及び父子並びに寡婦福祉法

母子及び父子並びに寡婦福祉法に関する手続きとは、母子家庭、父子家庭などのひとり親家庭に対してその家庭が安定し、自立できるための相談や支援を行うことです。

例えば、児童扶養手当や医療費助成の事務作業、母子寮の紹介などがこれにあたります。

老人福祉法

老人福祉法に関する手続きとは、高齢者の健康維持や生活の安定のために必要な相談や支援を行うことです。

例えば、高齢者医療費助成の事務作業、介護の必要がない高齢者への老人ホームや老人クラブの紹介などがこれにあたります。

身体障害者福祉法、知的障害者福祉法

身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に関する手続きとは、身体障害者または知的障害者に対して、自立や社会参加を促すために、相談や支援を行うことです。

例えば、障害者手帳の発行、生活用具の支給、ホームヘルパーの紹介などがこれにあたります。

福祉に関する幅広い事務作業を行うのが、福祉事務所ということがわかりましたね。

ちなみに、生活保護に関する決定は都道府県知事や市長が決めるのではなく、福祉事務所長が決めます。

生活保護決定通知書にも、福祉事務所長の名前が記されています。

福祉事務所で働く人とは

福祉事務所で働く人には、さまざまな役割があります。

福祉事務所で最も上の管理職は、福祉事務所長です。

都道府県知事または市町村長の監督を受けて、業務統括を行います。

また、実務の指導監督をする監督者も福祉事務所で働いています。

そして、実際に窓口で住民の相談に乗り、支援を行うのが現業員、ケースワーカーと呼ばれる人たちです。

その他、事務処理を担当する人もいます。

大きな福祉事務所であれば、それぞれ得意な専門分野を持つ専門相談員がいる場合もありますが、近年では、福祉事務所のケースワーカーの人数が足りていないと言われており、人材不足が問題となっています。

なお、これら福祉事務所で働く人の多くは公務員であり、一般行政職という勤務形態です。

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まとめ

今回は福祉事務所と市役所の違いについて、そもそも福祉事務所とはどのようなところなのかを解説しました。

福祉事務所は福祉関係に絞った事務作業や相談支援を行う行政機関で、市役所とは違います。

市役所の中に入っている場合も多く、混同されることが多いのが現状です。

そもそも福祉事務所とは、福祉六法に定める援護、育成、または更生の措置に関する事務を担当する社会福祉行政機関のことをいい、生活保護の手続きのみならず、数多くの仕事をこなしています。

福祉事務所で働く人には、福祉事務所長と監督、現業員(ケースワーカー)、事務員などがいます。

特に、窓口相談や生活保護受給者への支援を行うケースワーカーが不足しており、今後の状況も危惧されています。

この記事を参考に、福祉事務所への知識を深めていってください。

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