賃貸立ち退き要求の理由とは?立ち退き料の相場や交渉ポイントも解説

「賃貸物件の立ち退き通知を受け取ったけど、どうしたらいい?」

「どんな場合に立ち退きを求められるのかな…」と不安になっていませんか?

退去を求められたら、誰でも戸惑いますし、どうしたらいいか悩みますよね。

しかし、立ち退きの理由や対策を知ることで、賃貸契約のトラブルは回避できます。

今回は、賃貸の立ち退きの理由や料金相場、対応する流れを解説します。

立ち退き料を交渉したい場合のポイントも紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

賃貸で立ち退きを要求される場合とは?

賃貸物件で立ち退きを要求するには、正当な理由が必要であり、主に以下の2つの場合が想定されます。

  • 大家の都合による立ち退き
  • 入居者の都合による立ち退き

どんな理由で立ち退きを求められるのか、チェックしてみましょう。

大家の都合による立ち退き

大家側の都合によって立ち退きが要求されるのは、以下のような場合です。

  • 建物の老朽化
  • 建て替えやリフォーム
  • 物件の売却や経営の廃業
  • 自己使用(大家が自分で住む必要があるなど)

ただし、大家側の都合による立ち退き要求の場合、法律上は入居者の合意が必要とされています。

一般的には、大家は正当な理由を示し、適切な立ち退き料を支払うことで入居者の同意を得る流れとなります。

入居者の都合による立ち退き

以下のように、入居者の都合が原因で、立ち退きが請求される場合もあります。

  • 家賃の滞納
  • 契約違反(無断ペット飼育、騒音問題など)
  • 不法行為や迷惑行為

入居者都合での立ち退き要求は、契約違反や不法占拠など、具体的な理由が必要です。

大家側からの一方的な要求は、法律上認められないことが多いです。

賃貸の立ち退き料金の相場

アパートやマンションなど賃貸の立ち退き料については、正確には定められていません。

立ち退き料は法律で定められた金額ではなく、大家と入居者の交渉によって決まります。

しかし、移転先の住居の6ヶ月分の賃料に、引っ越し代を加えた金額が立ち退き料になる場合が多いです。

たとえば、月額家賃が20万円の物件の場合、立ち退き料は120万円程度に引っ越し費用がプラスされます。

具体的な内訳は以下の通りです。

  • 引っ越し費用
  • 新居の敷金・礼金
  • 家賃の差額(新居の家賃が高くなる場合)

ただし、立ち退き料の金額は入居者の請求権ではなく、大家側からの自主的な提案のため注意しましょう。

最終的な金額は交渉によって決まることが多く、物件の状況や立ち退きの理由によって大きく変動する可能性があります。

賃貸の立ち退き通知を受けた際の流れ

実際に立ち退きを求められたら、冷静に対応することが重要です。

落ち着いて対応できるように、ここで賃貸の立ち退き通知を受けた場合の流れを紹介します。

1.立ち退きの通知が来る

立ち退き通知は、大家側から入居者に対して送られる文書で、通常は賃貸借契約の更新の1年〜半年前に行われます。

通知には以下の内容が含まれます。

  • 賃貸借契約を締結した日時
  • 契約の期間満了日
  • 立ち退きを求める理由
  • 立ち退き料、敷金、引っ越し費用に関する情報
  • 賃貸物件の詳細(所在地、種類、構造など)

通知を受け取ったら、まず内容をよく確認し、不明な点や不備がないかチェックすることが重要です。

とくに、正当事由、退去期日、立ち退き料の有無に注目しましょう。

2.立ち退きの交渉をする

通知の内容を確認した後、立ち退きに関する交渉を行います。

立ち退き料の金額や支払い条件、時期について話し合います。

また、敷金の返還や未払い賃料の有無についても確認しておくのも重要です。

交渉が難しかったり、条件に納得できなかったりする場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士は正当事由の判断や適切な立ち退き料の交渉をサポートしてくれます。

3.退去手続きをする

交渉がまとまり、立ち退きに同意したら、退去手続きを行います。

以下の流れが一般的です。

  • 新居探し:退去期日を考慮しながら、新しい住居を探す
  • 引っ越しの手配:引っ越し業者の予約や荷物の整理など
  • 退去準備:現在の住居の清掃や修繕など
  • 最終確認:大家や不動産会社と物件の最終確認を行い、鍵の返却や敷金の精算を行う

新居探しや引っ越しの手配など、退去日を考慮しながら進めていきましょう。

賃貸の立ち退きにまつわる注意点

続いて、賃貸立ち退き要求された際の注意点を解説します。

立ち退きは拒否できる

借地借家法第28条により、「正当の事由」がない限り、入居者は立ち退きを拒否することが可能です。

「正当の事由」は明確に定義されておらず、大家と入居者の事情によってケースバイケースで判断されます。

たとえば、大家の物件使用の必要性や、建物の老朽化による建て替えの必要性などが考慮されます。

立ち退きを求められた場合、まずはその理由が「正当の事由」に該当するかどうかを確認することが重要です。

「正当の事由」がないと判断した場合は、大家に対して立ち退きを受け入れない旨を伝え、交渉を行えます。

ただし、この判断は複雑な場合が多いため、弁護士に相談することをおすすめします。

訴訟を起こされる場合もある

立ち退き交渉が合意に至らない場合、大家側が訴訟を起こす可能性があります。

訴訟になると、裁判所が「正当の事由」の有無を判断することになり、大家側の物件使用の必要性、建物の老朽化の程度、入居者の生活状況や代替物件の有無などが総合的に考慮されます。

訴訟は時間とコストがかかるため、大家側も安易に訴訟を選択することは少ないですが、交渉が平行線をたどる場合には最終手段として用いられる場合があり注意が必要です。

入居者側としては、訴訟になる前に弁護士に相談し、適切な対応策を検討することが重要です。

また、訴訟になった場合でも、裁判所の判断を待つだけでなく、並行して交渉を続けることで、より良い条件での解決を目指せます。

立ち退きには交渉が必要

立ち退きを求められた場合、必ず交渉を行うことが重要です。

大家からの通知だけで立ち退きを了承してしまうと、十分な補償を受けられない可能性があります。

交渉では、希望する立ち退き料の金額とその根拠、条件などを事前にまとめておき、漏れなく伝えることが大切です。

また、交渉の内容は必ず文書や録音で記録を残し、後のトラブルを防ぐようにしましょう。

交渉が合意に至った場合は、その内容を立ち退き合意書にまとめます。

交渉に不慣れな場合や、適切な条件を判断するのが難しい場合は、弁護士に相談し、代理交渉を依頼するのも有効です。

賃貸立ち退き料を交渉するときのポイント

立ち退き料を交渉するには、押さえておきたいポイントがあります。

最後に賃貸立ち退き料を交渉する際のポイントを紹介するので、参考にしてください。

立ち退きの理由や条件を確認する

まずは、大家側から提示された立ち退きの理由と条件を、十分に理解することが重要です。

立ち退きには正当な理由が必要であり、建物の老朽化や建て替えなど相応の理由が背景となっています。

立ち退きの経緯や理由、期間などを明確に確認し、適切かつ合法的であるかを検討しましょう。

また、大家側から提示された立ち退き期間が十分であるかも確認しておくと、自分の中でも納得しやすくなります。

立ち退きがなぜ難しいのかを整理する

どうしても立ち退きが難しい場合は、自身にとってなぜ困難であるのか、理由を明確に整理しましょう。

たとえば、以下のような点を人に伝わる形で考えてみてください。

  • 現在の居住地域での生活基盤(仕事、学校、病院など)
  • 引っ越しにかかる費用や労力
  • 新居を探す時間的制約

理由を具体的に説明することで、大家側に立ち退きの困難さを理解してもらい、前向きな形で問題解決へとつなげられる可能性があります。

立ち退き料の金額の根拠を明確に伝える

立ち退きが難しいため、立ち退き料で解決したいと交渉する場合は、具体的な金額とその根拠を明確に示すことが重要です。

たとえば、高齢者や病気のために転居が難しい場合、「移転が〜のように困難なため、引っ越し費用の◯%にあたる〇〇円を負担してほしい」といった伝え方です。

立ち退きが難しい理由と金額の根拠をできるだけ具体的に、わかるように伝えましょう。

必ずしも要求が通るとは限りませんが、背景を伝えることにより、建設的に話し合いを進められる可能性があります。

まとめ

賃貸の立ち退きは、正当な理由がなければ求められません。

立ち退きを求められる場合は、相応の理由があるため冷静に受け止め、退去について検討してしていくことが大事です。

理由や条件をしっかり確認し、立ち退き料に納得がいかない場合は、話し合いの準備もしていきましょう。

交渉が難しい場合は、弁護士に任せる方法も検討してみてくださいね。

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