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障害年金と生活保護は、ともに国民の生活をサポートする公的制度のため、どちらも同じような意味合いの制度だと思っている人も少なくないでしょう。
しかしこの2つの制度には違いがあることをご存知でしょうか。
今回は、障害年金と生活保護の違い、両方を受給する方法などについて、詳しく解説します。
障害年金・生活保護にはどのような違いがあるのか、次よりそれぞれの特徴を紹介しましょう。
障害年金とは、事故・病気などで障害を背負ってしまったために、働く意欲があるのに満足に働けなくなった人を経済的に支援する保険制度です。
日本年金機構が管轄で、厚生年金保険料・国民年金保険料などを財源としています。
障害年金の受給条件は以下のとおりです。
これらを満たしていれば、受給の対象に認定されます。
生活保護とは、病気などの理由で収入がなく困窮した生活を送っている人を保護するための公的制度です。
市区町村の自治体が管轄で、保護および自立を目的としています。
生活保護の受給条件は以下のとおりです。
これらをすべて満たした人は、受給資格が得られます。
生活保護は生活していけるだけの十分な資産・収入がある場合、あるいは身内の援助がある場合は、受給資格の対象外、あるいは減額になります。
それに対して障害年金は資産や収入、身内の援助のある環境であっても、受給資格を得られます。
生活保護は受給資格の条件が厳しい分、それを満たして受給対象となった場合、障害年金に比べて高額の生活保護費を受給することが可能です。
生活保護・障害年金を2つとも申請することは可能です。
ただし障害年金を受給する場合、それが収入の扱いとなってしまうため、生活保護でもらえる金額は減額となり、満額で受け取ることができません。
生活保護と障害年金は、一方が増えるともう一方が減る仕組みになっているため、両方合わせて増額でもらえるわけではないのです。
ただし、生活保護に加えて障害年金の申請もしておけば、メリットもあります。
そのメリットとは、ある条件さえ満たせば障害者加算も受給できる点です。
上記の条件を満たしたうえで福祉事務所に申請をすれば、申請の翌月から障害者加算が支給されます。
また、働き始めて生活保護が打ち切りになっても、障害年金の受給資格さえ満たしていれば、働きながら障害年金を受給することも可能です。
早い段階で障害年金の受給の手続きを済ませておけば、働き始めてから手続きをする手間が省けます。
働きながら障害年金がもらえる対象であるかどうかは、専門家に相談して確認しましょう。
障害年金・生活保護の併用は、それぞれの受給金額をそのまま受給できるわけではありませんが、先述したとおりいくつかのメリットがあります。
ただし、生活保護・障害年金の併用を検討している場合、いくつかの注意点もあるため、それをしっかりと把握することが大事です。
では、生活保護・障害年金を併用する際の注意点とは何か、次より説明しましょう。
障害者年金と生活保護の併用のメリットの一つは、先述したとおり「障害者加算の受給資格が得られる」という点ですが、障害者加算は取消される可能性もあることを覚えておく必要があります。
障害者加算の適用は障害の等級によって決定される仕組みです。
しかし、自分の健康状態に変化があった、あるいは障害年金の受給条件に変更があり、それに合わせて障害等級に変化があった場合、受給資格が消失することもあります。
そのような事態に陥った際に起きるのが、障害者加算の受給資格の取り消しです。
こうなった場合、生活保護費の金額にも変化が起きて、受給額が下がる可能性もあります。
変化に対応するために、受給資格の状況を常に把握して、何かあればすぐに手続きができるようにしなくてはいけません。
障害年金は遡及請求の申請もできます。
遡及請求とは、障害者認定をしていながら障害年金の請求をしなかった場合、認定日から1年以上をさかのぼって請求する請求手段です。
しかし遡及請求の請求期間内に生活保護費を受け取っていた場合、遡及請求が成立した時点で、生活保護を返還しなければいけません。
生活保護費の受給・遡及請求が重複した期間が返還の対象であるため、わからない場合は福祉事務所、障害者支援団体などに相談するといいでしょう。
生活保護・障害年金は、困窮した生活を送っている人・障害で満足に働けない人を救済するための公的な制度です。
満足できる収入が得られなくても経済的な支援が受けられるのがメリットですが、この2つの制度を併用するためには、いくつかの注意点を把握しておく必要があります。
両者の特徴・併せて受給する際のポイントを押さえることが大事です。
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