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うつ病は日本人の約15人に1人が一生のうちにかかると言われている、今や珍しくない精神疾患です。
うつ病にかかると、働くこともままならず、経済的な不安を抱えることも少なくありません。
そこで思い浮かぶのが「うつ病で障害年金は申請できるの?」という疑問です。
今回はうつ病と障害年金について、受給する条件やもらい方をご紹介します。
まずはじめに、うつ病で障害年金は申請できるのか、という疑問に答えましょう。
結論からいうと、うつ病でも障害年金は申請でき、症状に応じて受給も可能です。
障害年金はどんな障害であっても、初診日から1年6ヶ月が経過した日、または初診日から1年6ヶ月以内でも治療の効果がないと認められた日から申請ができます。
もし、まだ申請のタイミングでなくても、条件や基準、申請方法を知っておくと、スムーズな申請ができます。
ぜひ、後述する内容を確認し、早めに準備を進めましょう。
ここからは、うつ病で障害年金をもらうための条件、うつ病の認定基準やガイドラインを解説します。
障害年金を申請するには、以下の条件を満たしている必要があります。
初診日要件とは、障害の原因になった傷病について初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金の被保険者であることです。
初診日に、国民年金の被保険者だった場合、障害基礎年金の対象に、厚生年金の被保険者だった場合、障害厚生年金の対象になります。
なお、障害基礎年金は1級と2級しかありませんが、障害厚生年金は3級まであります。
一方で、保険料納付要件とは、以下のどちらかを満たすことをいいます。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
引用:日本年金機構
保険料納付要件は、初診日を把握した上で管轄の年金事務所に問い合わせると確認できます。
なお、20歳になる前が初診日の場合、年金の加入義務がないため、これらの条件を満たしていなくても障害年金が支給される可能性があります。
上記2点の条件に加え、うつ病の状態が障害年金の認定基準に入れば、障害年金を受給できます。
ここからは、うつ病がどういう状態であれば、障害年金の認定基準を満たすのかを解説します。
精神障害の認定基準は、厚生労働省によって以下の表のように定められています。
障害の程度 | 障害の状態 |
1級 | 気分(感情)障害によるものにあたっては、高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの |
2級 | 気分(感情)障害によるものにあたっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活に著しい制限を受けるもの |
3級 | 気分(感情)障害によるものにあたっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その症状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの |
精神疾患は数値などで検査結果が見えにくいため、障害の程度を判断するために「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が発表されています。
そのガイドラインに基づいて、医師が診断書を発行します。
ガイドラインの内容は、以下の項目を含んだものです。
日常生活能力の判断
日常能力の程度
これらのような項目を評価し、規定の表に当てはめて障害年金の等級を決定します。
これまでで、うつ病で障害年金をもらう条件や基準を解説しました。自分が当てはまっていると感じた人は申請の準備に取り掛かりましょう。
ここからは、障害年金を申請する手順を解説します。
初診を受けた病院が診断書を依頼する病院と違う場合は、最初に、初診日を証明する「受診状況等証明書」を準備します。
初診日の確定は、障害認定日などを決めるために必須です。
ここで注意したいのは、初診日の定義です。障害年金における初診日は、うつ病が確定した日ではありません。
例えば、うつ病とわかる前に、眠れない、頭痛や腹痛があるなど、身体の異変を感じて内科を受診し、その後に精神科へ移り、うつ病と診断されたとします。この場合、内科で初めて受診した日が初診日になります。
そして、初診日を証明する書類は、最初に受診した内科へ依頼します。
自分の記憶や記録、診察券、明細などを手がかりに、正しい初診日を確定しましょう。
ちなみに、「受診状況等証明書」は以下の書類です。
受診状況等証明書のPDF
次に、現在診察を受けている病院へ診断書の依頼を行います。
自分の症状をありのままに伝えることが大切です。
また、本来はより早くから障害年金をもらえていたにも関わらず、知らずに申請していなかった場合は、遡及請求が可能です。
その場合、現在の診断書だけでなく、初診から1年6ヶ月が経った障害認定日の状況も、別の診断書に書いてもらいます。
つまり、遡及請求の場合は診断書が2枚必要になるということです。
ちなみに、診断書は以下の書類です。
精神の障害用・診断書のPDF
最後は、病歴・就労状況等申立書を作成します。これは申請者が記入する書類です。
病歴や就労状況、日常生活について記入します。
病院で伝えた症状と同様に、ありのままを書くようにします。医師が作成する診断書と矛盾しないように注意しましょう。
病歴・就労状況等申立書は以下からダウンロードできます。
病歴・就労状況等申立書のPDF
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今回はうつ病と障害年金について、受給する条件やもらい方をご紹介しました。
受給する条件は、
です。
うつ病の認定基準を判断するには、医師によるガイドラインに基づいた診断書が必要です。
また、申請するためには、診断書だけでなく、初診日を証明する書類の発行と病歴・就労状況等申立書の作成を行います。
障害年金は生活を助ける重要な支援金です。
申請に手間はかかりますが、受給することで治療に専念できるという大きなメリットもあります。
ぜひこの記事を参考に、障害年金の申請を準備しましょう。