生活保護でも引っ越し退去費用は自己負担?払えない時はどうすればいい?

生活保護受給者も何らかの事情で、引っ越しが必要になることがあるでしょう。

また、これから生活保護を受給する際に家賃の安い賃貸へ引っ越すようにケースワーカーから指導されることも。

そんな時に気になるのが、引っ越し費用です。

引っ越し費用は、基本的に生活保護から支給されますが、引っ越し退去費用に関しては違うことをご存知ですか?

今回は生活保護でも引っ越し退去費用は自己負担?払えない時はどうすればいいのかをご紹介します。

生活保護で支給される引っ越し費用とは?

まずは、生活保護で支給される引っ越し費用について解説しましょう。

生活保護の住宅扶助とは

生活保護には、8つの扶助があり、住む家に関しては「住宅扶助」が支給されます。

住宅扶助は、毎月の家賃だけでなく、住宅を維持するための費用、そして、引っ越すための費用も含まれます。

生活保護受給者がやむを得ない理由で、引っ越す場合のみ、住宅扶助から引っ越し費用が支給されます。

引っ越しが認められる正当な理由がない場合は、引っ越し費用は全て自己負担となるため、注意しましょう。

支給される引っ越し費用はどこまで?

そこで気になるのが、支給される引っ越し費用はどこまでなのかという点です。

自治体によって多少異なりますが、基本的に以下の項目が支給されます。

  • 引っ越し業者費用
  • 敷金・礼金
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 保証料

引っ越し業者費用は、全額支給されます。ただし、引っ越し業者の見積もりを数社取り、最も安い業者で引っ越ししなければいけません。

また、敷金・礼金、仲介手数料、火災保険、保証料などの初期費用と呼ばれるものは、支給されますが、上限金額が決まっています。

それは住宅扶助額の3.9倍です。

例えば、東京都の住宅扶助額は53,700円(単身者の場合)なので、上限は3.9倍の209,430円です。

引っ越し費用は実費負担なので、この金額が全てが支給される訳ではなく、実際の初期費用分の支給となります。

20万円もあれば、おそらく初期費用は全て自己負担することなく賄えるでしょう。

生活保護でも引っ越し退去費用は自己負担!

生活保護受給者の引っ越しで問題なのが、引っ越し退去費用です。

引っ越し退去費用とは、退去する部屋の「原状回復費用」のことです。

また、契約時に指定されているクリーニング費なども退去費用に含まれます。

この部分は、住宅扶助から一切支給がなく、全て自己負担です。

その理由は、住み方次第で負担金額が上下するからです。

退去費用の相場は、ワンルームで45,000円と言われています。

しかし、部屋の設備を壊したり汚したりすると10万円以上になる場合もあります。

反対に、綺麗に過ごすことで原状回復費が0円という場合もあるのです。

ペットを飼っている、または、タバコを吸っている人だと、費用が比較的高くなるため、注意が必要です。

入居時に敷金を支払っていた場合は、退去費用が相殺されて新たに支払いが不要になるケースもあります。

ただし、自治体によっては敷金を全額回収する場合もあるため、担当のケースワーカーに問い合わせが必要です。

生活保護受給者が引っ越し退去費用を払えない時はどうする?

生活保護受給者には、高額な退去費用が払えない人も少なくありません。

では、退去費用が払えない場合、一体どうしたらいいのでしょうか?

家主に分割を依頼する

1つ目の対処方法は、家主に分割を依頼することです。

ただし、この方法は賃貸物件側がなかなか認めてくれず、多くの場合で断られるでしょう。

個人の家主さんの場合、ごく稀に分割を許可してくれることもあります。ダメもとで一度頼んでみましょう。

その際は、丁寧な対応を心がけてください。

また、退去費用が払えず分割を依頼する場合は、必ずケースワーカーに相談しておきましょう。

生活福祉資金貸付制度でお金を借りる

2つ目の方法は、生活福祉資金貸付制度でお金を借りることです。

いくら生活保護受給者でお金がないといっても、退去費用を払わないことはできません。

しかし、生活保護受給者は消費者金融などの金融会社や友人からお金を借りることが許されておらず、支払う選択肢がありません。

そんな時は生活福祉資金貸付制度の利用を検討しましょう。

生活福祉資金貸付制度とは、低所得者世帯や高齢者世帯などを対象とした国の資金貸付制度です。

通常は生活保護受給者は対象外ですが、場合によっては生活保護受給者でもお金を借りることが可能です。

ただし、簡単に借りられる訳ではありません。

生活保護受給者がこの制度を利用する場合、福祉事務所から必要性を認められなくてはいけません。

また、生活保護費での返済はできないため、原則として生活保護費以外の収入(給料や年金など)が必要です。

まずは担当のケースワーカーに退去費用を支払えない旨を相談し、生活福祉資金貸付制度が利用できないか、確認しましょう。

引っ越し退去費用を抑える方法は?

すでに請求されている引っ越し退去費用については、支払うしかありません。

しかし、これから入居する家では引っ越し退去費用を抑えたいと思う人が多いでしょう。

最後に、引っ越し退去費用を抑える方法をご紹介します。

入居後すぐに部屋の傷や不具合をチェック

入居してすぐに、部屋にある傷や設備の不具合をチェックします。

例えば、壁に穴が空いていないか、床に大きな傷はないか、設備は正常に使えるかなどです。

賃貸物件によっては、入居時の状況チェックリストのような用紙がもらえます。

古い物件ではもらえないこともあるため、その時は自分でメモを取ると良いでしょう。

そちらに記入するだけでなく、写真を撮っておくとより安心です。

退去時に前の入居者がつけた傷だという証拠になり、退去時トラブルを予防できます。

日頃から掃除を心がける

入居後はこまめに部屋の掃除を行いましょう。

部屋の掃除をすることで綺麗に使えるだけでなく、雨漏りやカビなどの大きな汚れも発見しやすくなります。

そのなかでも、部屋全体の換気と水回りの掃除は重要です。

部屋の換気が不十分だとカビが生えやすく、カビが生えると高額な壁紙修繕費がかかります。

また、水回りは特に汚れやすい部分で、放置していると自分では取れないほどの汚れが発生することもあります。

換気と水回りの掃除は念入りに行いましょう。

家の中でタバコを吸わない

タバコを吸う人の中には、換気扇の下で吸って煙を外に出そうとする人も多いでしょう。

しかし、これは部屋をタバコの煙から守るという点では全く意味がありません。

そして、タバコのヤニがついた壁紙の交換は入居者負担で請求されます。

部屋が広ければ広いほど、高額になるため、生活保護受給者には自宅での喫煙はおすすめできません。

自宅から近い喫煙所を利用する、ヤニの出ない電子タバコに切り替える、または禁煙するなど、何らかの対策を考えましょう。

小さな傷はDIYする

丁寧に暮らしていても、壁や床を傷つけることがあります。

もし傷が小さい場合はホームセンターなどでリペア用具を買って、自ら修繕しましょう。

例えば、壁に画鋲などで小さな穴が空いた場合は専用のコーク剤で修繕する、またはフローリングに細い傷がついた場合は専用の補修剤を塗ったり埋め込んだりするなどです。

ただし、手先が不器用な人は修繕することでかえって傷が目立つかもしれません。

注意して行いましょう。

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まとめ

今回は生活保護でも引っ越し退去費用は自己負担?払えない時はどうすればいいのかをご紹介しました。

生活保護では、やむを得ない場合の引っ越しのみ、引っ越し業者や初期費用が住宅扶助から支給されます。

しかし、これまで住んでいた家の退去費用は支給の対象外で、全額自己負担しなくてはいけません。

払えない場合は、家主に分割を依頼する、もしくは生活福祉資金貸付制度の利用を検討しましょう。

どちらの場合でも、担当のケースワーカーに相談しておくことが大切です。

生活保護受給者であっても、退去費用は必ず支払わなくてはいけません。

請求を無視せずに、対応しましょう。

そして、大きな修理が必要にならないように、丁寧な生活を心がけましょう。

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