(営業時間9:30~18:30)
(24時間受付中)
生活保護を受けると、どうやって支援が受けられるのか、現物がもらえるのか、現金がもらえるのか、疑問に思っている人もいるでしょう。
生活保護は、扶助の種類に応じて、現物支給の場合と現金支給の場合があり、ほとんどが現金支給です。
では一体、どれが現物支給に当たるのでしょうか。
今回は生活保護で現物支給されるものは?現金支給が多い理由もご紹介します。
まずは、生活保護で現物支給されるものを解説しますが、その前に生活保護費の構成として、扶助の種類を確認します。
生活保護には、以下8つの扶助があります。
食費や日用品、光熱費、雑費などの生活費を指します。
住む賃貸物件の家賃を指します。
また、入居する際の手数料や更新料、認められた場合の引越し費用も住宅扶助から支給されます。
病院へ受診した際の医療費を指します。
診察から治療や薬、入院、手術などでかかる費用が支給されます。
被保護者と同一世帯で暮らす義務教育までの児童の教育費を指します。
例えば、教科書や教材、さらに給食費なども含まれます。
資格取得や仕事を得るために必要な資金などを指します。
義務教育が終わった高等学校の教育費は生業扶助に含まれます。
被保護者が出産する際に必要な出産費を指します。
被保護者に介護が必要だと認められた場合に発生する介護費を指します。
施設入居費から必要な福祉用具費までが含まれます。
被保護者の葬儀の際に支給される葬儀費を指します。
これら8つの扶助の中、現物支給されるものはどれなのでしょうか。
生活保護で現物支給なのは「医療扶助」と「介護扶助」の2つです。
生活保護を受給することになったら、国民健康保険証は返却しなければいけません。
そして、病院へ行く際は、福祉事務所から医療券を発行してもらい、指定の医療機関を受診します。
つまり、医療費として現金が支給されるのではなく、医療そのものが現物で支給されるのです。
一方、介護扶助も同様で、現金ではなく介護サービスが現物で支給されます。
しかし、杖などの福祉用具は現金支給され、現物は自分で購入する必要があります。
つまり、介護扶助は一部が現金支給、一部が現物給付ということです。
生活保護には、8つの扶助だけでなく、8つの加算もあります。
しかし、現物給付なのは「医療扶助」と「介護扶助」の2つだけで、基本的に現金支給が多いです。
不正受給などの心配を考えると、現物支給の方が良いという考えもありますが、一体どうして現金支給が多いのでしょうか。
ここからは、生活保護で現金支給が多い理由について解説します。
生活保護を受給する人は、老若男女、幅広い世代、そして様々な事情を持った人がいます。
例えば、アレルギーがあって食べるものが限られる人、ベジタリアンの人、少食の人などです。
また、日用品の利用状況も人によって大きく異なります。
そのため、生活保護で食べ物や日用品などの現物を支給したとしても、使えない可能性が考えられます。
使えないものを支給されても受給者にとって勿体無いだけです。
しかし、現金支給であれば、自分が使うものを購入でき、無駄が少ないでしょう。
現金支給は受給者だけでなく、支給側にもメリットが大きいです。
それは、食べ物や日用品を選んで送るには、コストがかかるためです。
生活保護費分の食費や日用品を支給しようと考えると、現物を選ぶ時間や業者とのやり取りが発生します。
さらに、送料も必要だと考えると、現金支給以上の時間と費用がかかります。
つまり、現金支給の方が現物支給より低予算に抑えられ、受給者にも支給側にもメリットが大きいのです。
では、現物ではなくプリペイドカードの支給にしたらどうかと考える人も少なくないでしょう。
実際に、2015年に大阪市が生活保護の一部をプリペイドカードで支給する案を検討していました。
試験として、まずは希望者にプリペイドカードが配られる予定でしたが、当時11万7000人だった大阪市の生活保護受給者中、65世帯しか希望者が集まらず、計画が頓挫する結果になりました。
希望者が集まらなかったのは、プリペイドカードで購入履歴が確認できることがプライバシーの侵害だという意見や、日常で使っている店がカード利用できない、カード利用に慣れていない高齢者が多いなどの理由があったからです。
生活保護の現物支給を支持する声も大きいですが、現物支給に切り替えるには問題が多く、簡単には進まないでしょう。
この記事もおすすめ
今回は生活保護で現物支給されるものは?現金支給が多い理由もご紹介しました。
生活保護で現物支給されるものは「医療扶助」と「介護扶助」です。ただし、介護扶助の一部は現金支給のものもあります。
8つの扶助の中で2つだけが現物支給なのを考えると、生活保護費のほとんどが現金支給であることがわかります。
その理由として「生活保護受給者には様々な人がいるから」「現金支給が受給者と支給側のどちらにとってもメリットが大きいから」などが考えられます。
過去に、プリペイドカードを支給する案もありましたが、受給者の希望が少なく、利用がスムーズにいかず頓挫しています。
これらの経験から、生活保護の現物支給がなかなか簡単にはいかないことがわかるでしょう。
今後も議論が続くことが予想されます。
当社では、生活保護を受給される方向けの物件情報を多数取り扱っています!
生活保護申請のお手伝いから賃貸物件のお手配まで、まるっとサポートしているので公式LINEアカウントへお気軽にお問い合わせください。
生活保護受給者向けのおすすめ新着物件はこちら!