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生活保護受給者は生活費において、いろいろと制限がありますが、もし家族が亡くなった場合や受給者本人が亡くなった場合、お葬式を上げることができるのでしょうか?
その際の葬儀費用はどうなるのでしょう?
今回は生活保護受給者の葬儀費用はどうなる?葬祭扶助や葬儀の内容を詳しく解説していきます。
では早速ですが、生活保護受給者の葬儀費用はどうなるのか、ご紹介します。
結論からいうと、生活保護受給者が支払うべき葬儀費用は原則として「葬祭扶助」から支給されます。
葬祭扶助は生活保護の8つの扶助の中の1つで、「福祉葬」「生活保護葬」「民生葬」などと呼ばれます。
葬祭扶助で支給される金額は地域によって異なります。
1級地および2級地の場合、大人212,000円以内、小人169,600円以内、3級地の場合、大人185,500円以内、小人148,400円以内と定められています。
これは2023年4月に改定された基準額です(引用:https://www.mhlw.go.jp/content/001071315.pdf)
葬儀費用が基準額を超えた場合は、条件に応じて加算される仕組みになっています。
詳しい金額は自治体の福祉事務所に相談を行いましょう。
なお、葬儀費用が支給されるには一定の条件が必要になります。
ここからは、生活保護の葬祭扶助を支給するための条件をご紹介します。
1つ目は、葬儀を執り行う人が生活保護受給者の場合です。
亡くなった人に貯金がなかったり、他に葬儀をする親族がいなかったり、どうしても受給者本人が葬儀を執り行う必要がある場合に、葬祭扶助が支給されます。
葬祭扶助を受け取れるか否かは、住んでいる自治体の福祉事務所などが判断します。
事前に相談できる場合は担当のケースワーカーに尋ねておくと良いでしょう。
2つ目は、故人が生活保護受給者で身寄りのない場合です。
生活保護受給者は生活が困窮しているため、基本的に葬儀のお金を用意していない可能性が高いです。
さらに、葬儀を執り行ってくれる身寄りがない場合、葬祭扶助の支給が認められます。
その際は、家主や民生委員、自治会が葬儀を代行します。
では次に、葬祭扶助で葬儀費用が支給されない場合をご紹介します。
1つ目は、生活保護受給者に貯金がある場合です。
生活保護受給者は受給条件に、貯金などの資産がないことがあげられるため、基本的に貯金がない人が多いです。
しかし、生活保護費を少しずつ貯めていくことは禁止されていません。
そのため、亡くなる時に貯金がある可能性も考えられます。
その貯金があっても足りない場合、不足分は葬祭扶助から支給されます。
2つ目は、親族が葬儀費用を支払える場合です。
もし生活保護受給者が亡くなって、残された親族が葬儀費用を出せる経済状態にあると判断された場合、葬祭扶助は支給されません。
親族というのは、亡くなった生活保護受給者の子ども、両親、祖父母、孫、兄弟姉妹のことです。
葬祭扶助は税金から賄われるため、できるだけ親族が執り行うように厳しい判断になるようです。
しかし、故人と絶縁状態にあったり、遺骨の引き取りを拒否する関係にある場合は、家主や自治体などの第三者が葬儀を執り行うことになるため、葬祭扶助が支給されます。
さて、これまで生活保護の葬儀費用についてまとめましたが、肝心の葬儀はどのような形で執り行われるのでしょうか?
ここからは生活保護受給者の葬儀内容についてご紹介します。
前述した通り、生活保護受給者の葬儀は「福祉葬」「生活保護葬」「民生葬」と呼ばれ、必要最低限の内容で行われます。
葬儀内容は生活保護法で定められています。
内容は以下の通りです。
一 検案
二 死体の運搬
三 火葬又は埋葬
四 納骨その他葬祭のために必要なもの
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82048000
つまり、火葬のみの葬儀となります。
一般的な葬儀との違いは、僧侶を呼んでお経を読んでもらうなど、宗教的な儀式を執り行えないことです。
もし僧侶にお経を読んでもらうとなると、お布施が必要になりますよね。
葬祭扶助では、そのお布施代を支給することができないのです。
参列者の人数は決まっていませんが、火葬場に入る人数は決まっているため、参列者の人数も一般的な葬儀より少なくなることが多いでしょう。
ただし、これは葬祭扶助を利用して葬儀を執り行う場合で、生活保護受給者の親族が葬儀費用を負担すれば、どんな葬儀も可能になります。
では最後に、葬祭扶助の申請方法についてご紹介していきます。
葬祭扶助の利用が必要になれば、まず住んでいる地域の福祉事務所または民生委員などに連絡します。
そして、必要な書類を準備し、窓口で葬祭扶助の申請を行います。
この時に、福祉事務所が本当に葬祭扶助が必要なのか審査をし、それが通れば、次は葬儀屋の準備に入ります。
ここで注意ですが、葬儀屋に何も言わずに葬儀費用を先払いした場合、葬祭扶助が受け取れない可能性が出てきます。
なので、事前に葬祭扶助を利用した葬儀を執り行いたい旨を葬儀屋に伝えましょう。
福祉事務所が葬祭扶助の申請を行った際に、葬儀屋を紹介してくれる場合もあるようです。
福祉事務所からの紹介なら安心してお願いできそうですね。
今回は生活保護受給者の葬儀費用はどうなる?葬祭扶助や葬儀の内容を詳しく解説しました。
生活保護受給者はお葬式をあげることはできますが、葬儀費用(葬祭扶助)はある条件を満たさないと支給されません。
その条件は、葬儀を執り行う人が生活保護受給者の場合と生活保護受給者に身寄りがない場合です。
また、生活保護受給者に貯金がある場合や親族に葬儀費用を支払える人がいれば、葬祭扶助は受け取れません。
葬祭扶助を受け取った場合の葬儀は、火葬のみになっています。
人が亡くなった時は誰でも慌ただしくなります。
事前に葬祭扶助の仕組みや申請手順を知っておくことが大切です。
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