障害者年金には所得制限はなし!ただし20歳前の傷病なら所得制限あり!上限年収は?

病気やケガで障害が残った時、経済的な手助けとなるのが障害年金です。

障害年金を受け取るのに、所得制限はあるの?と気になる人も多いですよね。

じつは、障害年金には所得制限はありません!ただし、20歳未満の傷病なら所得制限があります!一体どういうことなのでしょうか?

今回は障害年金の所得制限について、わかりやすく解説していきます。

障害年金とは?

障害年金とは、病気やケガで障害が残った時、一定の条件を満たす場合に給付できる年金のことです。

「年金」と聞くと高齢者が受け取るものと勘違いしやすいですが、障害年金は20歳から65歳までが受け取れます。

身体障害者だけでなく、精神障害、発達障害、がんや糖尿病、その他難病など、幅広い病気が対象で、障害者手帳がなくても受給可能です。

自ら申請しないと受給できないので、ご自身に当てはまりそうならぜひ窓口へ相談にいきましょう。

ちなみに、障害年金は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2階建てになっています。

初診日に国民年金に加入していた人は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた人は「障害厚生年金」を受け取れます。

「障害厚生年金」の場合、障害等級が1級、2級なら「障害基礎年金」も合わせて受けることができます。

障害厚生年金の方が手厚いといえますね。

障害厚生年金の所得制限はなし!

障害があったとしても働ける人は大勢います。

令和元年 障害年金受給者実態調査」では、障害年金の受給者の34%が働いていることがわかりました。

ここで気になるのが、障害年金の所得制限です。

冒頭でも述べたように、障害年金の所得制限は基本的にありません。

つまり、いくら多くのお金を稼いだとしても障害年金を受け取ることができます。

また、世帯員の収入も関係していません。配偶者が1億円稼いでいたとしても障害年金を受け取れます。

ただし、所得制限が全くないのは「障害厚生年金」の人だけです。

これから解説する2つに当てはまる「障害基礎年金」の人には所得制限があります。

【要注意】障害年金の所得制限がある人とは?

障害年金の所得制限がある人は、障害基礎年金の受給者で尚且つ、以下2つのいずれかに当てはまる人です。

傷病の初診日が20歳未満だった場合

傷病の初診日が20歳未満だった人は障害年金に所得制限があります。

例えば、先天性の障害や子どもの頃に事故にあって残った障害などです。

一方で、初診日が20歳以降だった人は「障害基礎年金」でも所得制限はありません。

では、どうして20歳未満の場合だけ所得制限があるのでしょうか?

その理由は、公平性を図るためです。

障害年金は20歳から受け取ることができます。

20歳未満で障害を負った人は、通常20歳から支払う必要のある年金を払う前に、給付を受けることになります。そうなると、年金を支払っている他の人と比較して公平性が保たれません。

そのため、公平性を図ろうと所得制限が設定されているのです。

ただし、20歳未満で就労し、厚生年金を支払い、一定の条件を満たした場合は「障害厚生年金」を所得制限なしで満額受け取れます。

特別障害給付金の対象者

特別障害給付金の対象者も障害年金に所得制限がかかります。

特別障害給付金の対象者とは

  • 平成3年3月以前の初診日時点で、20歳以上の学生だった人
  • 昭和61年3月以前の初診日時点で、会社員・公務員の配偶者だった人

です。

上記に当てはまる人は国民年金に任意加入で保険料を納付できていない時期がある人なので、前述と同様に公平性を図るために所得制限が設けられています。

ただし、該当する人はとても少なく珍しいケースといわれています。

20歳未満の傷病で障害年金をもらう時の所得制限は?上限年収が気になる!

最後に、20歳未満の傷病で障害年金をもらう時の所得制限について、詳しい上限年収をご紹介します。

なお、この基準年収は2024年5月現在のものです。更新されている場合もあるので注意しましょう。

単身世帯の場合

障害年金の所得制限は世帯人数によって異なり、さらに2段階の所得で給付額が決まります。

単身世帯だと、前年の所得額が4,721,000円を超える場合、全額給付されません。

3,704,001円から4,721,000円の場合、年金額が2分の1に減額されます。

3,704,000円以下だと全額給付されます。

ここで注意したいのが上記は所得の金額であることです。

年収にすると全額給付されなくなる上限は約6,450,000円です。

扶養親族が増えると所得制限額が上がる

扶養親族が増えると、所得制限額も上がります。

1人につき、380,000円が追加されます。

扶養親族が以下の場合、所得制限に追加される金額がより高くなります。

  • 老人控除対象配偶者や老人扶養親族の場合…1人につき480,000円
  • 19歳以上23歳未満(その年の12月31日現在)の特定扶養親族の場合…1人つき630,000円

例えば、扶養親族が1人いた場合、単身者上限の所得額4,721,000円に380,000円を足した5,101,000円が上限所得額になります。

ぜひご自身の扶養親族の人数で計算してみてください。

まとめ

今回は障害年金の所得制限について、わかりやすく解説しました。

障害厚生年金には所得制限はありませんが、障害基礎年金には所得制限がある人もいます。

それは初診日が20歳未満だった人と特別障害給付金の対象者です。

所得制限の上限金額は前年の所得額が4,721,000円を超える場合で、年収で考えると約6,450,000円です。

扶養親族が増えると、所得制限の金額も変わってくるので注意しましょう。

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